富山県南砺市で有機コシヒカリを生産する「みのファーム」。
南砺市は富山県の南西に位置し、日本三霊山の一つ白山からの清水を水源に、伸びやかに広がる田園地帯を有し、良質なお米が採れる地域にあります。
「みのファーム」 の有機コシヒカリは非常に評価が高く、インターネットのお米販売サイトで人気第1位を獲得したこともあります。
しかし、今日に至るまでには米の生育だけではなく、様々な課題があったと園主の蓑口さんは話します。
50歳過ぎまでは、エネルギーと環境に関わるコンサルタント会社に勤めていた簔口さん。
仕事柄、農業が抱える課題に直面し「このままでは有機農業は潰えてしまう」という危機感を抱き、勤めていた会社を退職し家業の農業を継ぐと同時に有機農業への切り替えを決心しました。
有機農法の推進には、地域内で他の農法者に反対されることが多々ありました。
争いの先には発展を見いだせないと感じた簔口さんは、対立ではなく、逆に理想の農業を共有する仲間作りを始めました。
そうして有機農業を推進したいと思う同志を増やし、やがては市民運動にまで発展、有機農業に理解の深い候補者を擁立し、なんと市長選で勝利するまでの大きな活動へと発展させました。
地域の有機農業への考え方が変わり、行政の協力も得られるようになると、簔口さんは若い就農者の育成のために農業塾を試験的に開催しました。
農業に興味を抱く若者は少なくなく、数人の塾生に農業を教えながら、独り立ちできるまでをサポートしました。
〜生活が安定しなければ、どんな農業も継続できない〜
「農業(生産)と販売は一体化することが理想」と簔口さんは言います。
確かに増産を追求しにくい有機農業は、品質の高いものを安定的に生産し、その価値を自分で売っていく力が必要とされます。
農薬や化学肥料に頼らずに、作物の生命力を最大限に高める理想を追求しながらも、同時に農家の生活が安定することは大きな命題です。
「最近では毎年異常気象って言うでしょう」でも「異常気象だから収量が減っても仕方ない」では農家は農業を続けられません。
〜全天候型の農業を目指す〜
簔口さんは農業技術のテーマとして目指したのは「全天候型」の農業。
つまり、どんな天候でも一定以上の安定した品質・収量を得られる農業です。
簔口さんが着目したのは植物の光合成能力でした。
どのような天候であっても、植物がしっかりと光合成することが出来れば、稲はしっかりと実ると蓑口さんは言います。
現在は農大の先生と試験を繰り返し、光合成能力を高める農業を研究しています。
「次の時代の子たちが、しっかり有機農業を遺していける、その土台を作りたいんです。」
簔口さんの次世代への強い想いと共に、美味しいお米を皆様にお届け致します。
生産者:溝口 潔さん(左から二番目)と、福井県 農家の青山さん、弊社スタッフ(両端)